部屋の形を意識して
新居選びをするときに不動産会社の方からアドバイスをされたのが、「リフォームを意識した家選び」ということです。
かつては日本の住居用建物というと、新築で作って古くなったら解体して新しく一から立て直すという方法が一般的でしたが、廃材処理の問題や予算の問題から一度建てた建物は修繕しながら長く使っていくようにしようというふうに意識が変化してきています。
現在は木造住宅でもかなり建築技術が上がっているので、あとから耐震工事をしたり内装を大幅に変更したりということができやすくなっています。
ですがそうした修繕や改築も、物件によっては非常に難しいことがあります。
そこで最初のアドバイスで言われているのが、将来的な修繕改築を見越した物件を選んでいくようにするということなのです。
そう言われて不動産物件を詳しく調べていくと、同じような立地条件や広さであるにもかかわらず、かなり価格が異なる物件があることに気が付きます。
高い価格がつく物件というのは戸建でもマンションでも、比較的間取りが単純で空間的な分け方がきっちりしすぎていないものです。
住みやすい家を目指して
反対に価格が安いものは、土地の形が複雑であったり間取りがとても個性的であったりというような場合です。
一時期大流行したデザイナーズマンションなどは、シャワー室が部屋の中央にあったり部屋の位置関係が複雑な向かい合い方をしていたりということもよくありましたが、そうした物件は現在「将来売りにくい物件」であるとして価格が下落しているのだといいます。
長くその物件に住んでいると老朽化などで数十年に一度は大規模な修繕などをしなくてはいけなくなりますが、そのときには必ず入居当時とは異なった家族構成に合わせたリフォームをしたりします。
子供部屋を増やす、客間をなくす(つける)、リビングとキッチンの境目を変えるといったことをする場合、複雑な間取りをしているマンションではあとから変化をつけることができません。
住宅における改築の可能性の範囲を「可変性」といいますが、今後より高値がつきやすいのはこの可変性が高いとされる物件です。
なので住宅購入前にはそのときに示されている間取り内容だけでなく、将来改築する場合にどのように変化をしていくことができるかというような広い視野で品定めをしていくことが大切になってきます。
そう思って物件調べをしていると、まったく違った価値観でその建物を評価することができます。