意味を知る
結婚を控える身としては、一体いつから「結婚」というものができはじめたのか、昔はどんな方法で行われていたのかということがちょと気になります。
今ではすっかり欧米風に風習や段取りが変化してしまっている結婚ですが、かつてはどんな意味があったものなのかを少し細く調べてみたのでここにまとめることにします。
日本における「結婚」は比較的文化として発生したのは遅い時期のようで、それまでは婚姻・嫁娶といったふうに呼ばれ今の概念とはかなり違った方法によって男女が結ばれていたといいます。
「婚」という文字をよくみてみると、「女」と「昏」によってできていることに気が付きます。
「昏」ですが、こちらは“黄昏”という言葉があるように夕方以降の夜の時間帯を指す文字です。
これは、かつては婚礼の式は夜に行われることが常識であったことを示しており、夜に女性を迎え入れるのが「婚」というふうに文字と行動とが直結していました。
なお、この夜に婚礼の式をするという意味は中国の古典による五経の教えから来ており、男性は「陽」、女性は「陰」という区別から女性を迎え入れるのは夜がふさわしいという思想が下敷きになっています。
昔からの風習
また、婚姻の姻の時はかつては「とつく」と読まれていたそうで、婿の家に女性が迎え入れられることが「姻」というふうにされていました。
ですが婚姻の方法も今とはかなり違っており、まず夜の時刻に男性が目当ての女性の家に出向いて婚姻を行ない、そこで一定期間一緒に住んでから娘が男性の家に迎えられることとなっていたのです。
平安時代まではこの男性が女性の家に行くことが最初の婚姻の儀式という風習が続いていたとのことです。
これが武家社会になることで、男性が女性の家に行くという方法が廃れ、最初から女性を男性の家に迎え入れることを婚姻とするようになります。
嫁となる娘を男性の家に迎えることを「嫁迎え方式」というそうで、婿方の家に娘が着いたときに結婚式となるひ式を行うようになりました。
武家社会以降の結婚式は昼間正午から挙式とされていたそうです。
また、嫁ぐということは子供を生んで跡継ぎを作るという意味合いがあることから、「あとつぎ」の最初の「あ」をとった「とつぎ」が名称として定着したのだといいます。
今となってはほとんど面影のない昔の日本の結婚式ですが、こうして歴史を知ってみるとまた結婚というものに新しい意味が見えてくるような気がしますね。